こんにちは。まんぷくです。
約1年にわたって、専業主婦を続けていた私ですが、パートタイムで働きにでることになりました。
一時期は「ブログだけで生活できたら」…と思っていましたが、無理でした(笑)
パート主婦が「損せず働く」ために知っておきたい「年収の壁」を手取り収入のシミュレーションを交えてお伝えします。
パート主婦が気になるのは税金と社会保険料
夫の扶養内で働く主婦にとって気になるのが、「年収いくらから税金がかかるのか」や「厚生年金保険料や健康保険料といった社会保険料を払うと手取りがどれくらい減るのか」だと思います。
思いがけず税金を払う事になってしまったり、夫の社会保険の扶養から外れてしまったりしないように、パート主婦が知っておきたい「お金」について考えていきたいと思います。
※注 この記事で書かれている情報は2021年6月時点のものです。またお住いの地域や家庭環境、年齢によって実際にかかる税金や社会保険料は変わりますのでご理解のほど宜しくお願いします。
所得税がかかるのはいくらから?
パート主婦に所得税がかかるのは、年収がいくらになってからなのでしょうか?
「パート収入はいくらまで所得税がかからないか」について、「国税庁」のタックスアンサーには以下のように書かれていました。
1.配偶者本人の所得税の問題
パートにより得る収入は、通常給与所得となります。給与所得の金額は、年収から給与所得控除額を差し引いた残額です。給与所得控除額は最低55万円ですから、パートの収入金額が103万円以下(55万円プラス所得税の基礎控除額48万円)で、ほかに所得がなければ所得税はかかりません。
(出典:国税庁「タックスアンサー」所得税…パート収入はいくらまで所得税がかからないか)
「国税庁」のサイトによると、パート主婦は年収を「103万円以下」に抑えれば、所得税はかからないそうです。
所得税がかからないパート主婦の年収→103万円以下
住民税がかかるのはいくらから?
所得税は「国」に納める税金なので、日本のどこに住んでいても同じ条件の下で税金を納めますが、住民税は「市町村や都道府県などの自治体」に対して納める税金なので住んでいる地域によって違いが生じます。
「パート収入はいくらまで所得税がかからないか」については、住んでいる地域や世帯によって違いはありますが、およそ100万円が目安になるそうです。
住民税がかからないパート主婦の年収→およそ100万円以下
※地域によって異なるので住んでいる市町村の情報を必ずご確認下さい!!
参考にしたサイトはコチラです↓
パート先の社会保険への加入義務が生じるのはいくらから?
パート主婦にとって気になるのが、夫の社会保険の扶養から外れる年収の目安です。
パート主婦の年収が一定を超えると、夫の社会保険の扶養から外れ、パート先の社会保険に加入する義務が生じます。
これを、「年収106万円の壁」「年収130万円の壁」と呼びます。
「年収106万円の壁」「年収130万円の壁」、どちらの壁に気を付ける必要があるのかは、パート主婦の勤務先の規模や労働時間によって決まります。
以下の5項目全てに該当するパート主婦は、「年収106万円の壁」に注意しましょう。
1.月額賃金が8万8000円
2. 所定労働時間が週20時間以上
3.勤務期間が1年以上の見込み
4.勤務先の従業員が501人以上(厚生年金の被保険者数)の企業
5.学生ではない(夜間や定時制など、加入対象となる学生もある)
注意しておきたいのが「年収106万円の壁」と言われていますが、パート先の社会保険に加入するどうかの判断は「月額賃金」で行われます。
月額賃金8万8000円のパート主婦が上記項目を満たしパート先の社会保険に加入し、1年間働いた年収が結果として「106万円以下」であっても、支払った社会保険料は戻って来ませんのでご注意ください。
上記5項目に当てはまらないパート主婦は「年収130万円の壁」に注意しましょう。
また上記5項目に当てはまらなくても、パート先の社会保険に加入できるケースもありますので、夫の社会保険の扶養から外れたい場合は勤務先や就業予定先に問い合わせてください。
社会保険の対象になるのかどうかを詳しく知りたい方は厚生労働省のサイトをご覧ください↓
「年収106万円の壁」月額賃金8.8万円から要注意!
パート主婦の1か月の賃金が8万8000円になると、パート先の「社会保険」への加入義務が生じる場合があります。
パート先が従業員501人以上の場合は働き方に注意しましょう。
ここで、月額賃金8万8000円に含まれない収入もありますので確認しておきましょう。
「賞与」や「結婚手当」、「通勤手当」、「家族手当」などの手当て、さらには「時間外労働」や「休日労働」といった残業代は月額賃金から除外されます。
(参考にしたのはコチラです→「ニッセイ基礎研究所」(PDF))
除外される収入を差し引いた上での月額賃金8万8千円に加えて、「週20時間以上の労働+1年以上働き続ける見込み+勤務先の従業員が501人以上+学生ではない」に当てはまるパート主婦は、パート先の「社会保険」への加入義務が生じます。
パート主婦は夫の社会保険の扶養から外れ、パート先の社会保険に加入します。
パート先の社会保険に加入することで「働き損」が発生するかも
パート主婦でも「月額賃金8.8万円+週20時間以上の労働+1年以上働き続ける見込み+勤務先の従業員が501人以上+学生ではない」に当てはまると、夫の社会保険の扶養から外れ、パート先の社会保険の加入義務が生じます。
社会保険に加入することは働く人間にとってプラスな事ではありますが、手取り額が減ってしまうのが痛手です。
月額賃金8.8万円(年収約106万円)のパート主婦と、月額賃金8.8万円未満(年収約105万円)のパート主婦を比べてみると、年収106万円稼いだパート主婦の手取り額の方が少なくなります。
もちろん、社会保険に加入することはメリットがあるので、一概にそれが「働き損」だとは言えませんが、手取り額だけを見ると「損」したと感じるかもしれません。
以下の「手取り額シミュレーション」を見ると、「働き損」を実感できると思います↓
年収106万円付近の手取り額シミュレーション
年収106万円(パートの社会保険に加入)40歳パート主婦の場合
所得税0円
住民税5,000円
厚生年金96,624円
健康保険61,459円
雇用保険3,180円
手取り収入893,737円
年収105万円(夫の社会保険の扶養)40歳パート主婦の場合
所得税800円
住民税11,600円
健康保険0円
雇用保険3,150円
国民年金0円
手取り収入1,034,450円
たった1万円の差が、手取り収入にすると約14万円(年間)の大きな違いになります!!
このシミュレーションによると、年収が多い106万円のパート主婦の方が、手取り収入が「140,713円」も少ないです。
※あくまでシミュレーションなので、実際にかかる税金や社会保険料は異なります
年収106万円付近のパート主婦が社会保険で損をしない働き方
年収106万円付近のパート主婦は、働き方次第で年間約14万円もの手取り額が変わる可能性があります。
「月額賃金8.8万円+週20時間以上の労働+1年以上働き続ける見込み+勤務先の従業員が501人以上+学生ではない」パート主婦が手取り額を減らさないためにできることは以下の通りです。
・月額賃金を8.8万円未満に抑える→社会保険加入義務がなくなる
・週20時間未満の労働にしてもらう→たとえ月額賃金8.8万円を超えても社会保険加入義務がなくなる
・年収124万円以上(月額賃金約103,300円)にする
→社会保険料を支払っても手取り額が1,037,717円になり、年収105万円(夫の社会保険の扶養)パート主婦の手取り額を上回ることができる
扶養ギリギリラインの年収105万円のパート主婦の手取り額(約103万円)と同じ水準を維持するには、年収124万円以上を得る必要があります。
以下のシミュレーションをご覧ください↓
年収124万円(パート先の社会保険に加入)40歳パート主婦の手取り額シミュレーション
所得税900円
住民税11,900円
厚生年金114,192円
健康保険72,633円
雇用保険3,720円
手取り収入1,036,655円
※あくまでシミュレーションなので、実際にかかる税金や社会保険料は異なります
シミュレーションによると、年収124万円以上になってやっと、扶養ギリギリラインで働いていたパート主婦の手取り収入1,034,450円を超えることができました。
年収124万円稼いでも、年収105万円と手取り収入はほぼ同じです。
年収124万円でも「働き損」を感じてしまう方もいるでしょう…。
ちなみに、年収124万円のパート主婦は、年収105万円のパート主婦よりも月額当たり17,500円多く稼ぐ必要があります。
時給1000円のパートだとしたら、月に17.5時間余分に働いて、やっと年収105万円のパート主婦と同等の手取りになります。
これを「働き損」だと思うのか、「社会保険の加入で将来の年金が増えるから得なのだ」と思うのかは、人それぞれだと思います。
「年収130万円の壁」社会保険が全員に適用される
パート主婦の年収が130万円になると、社会保険が全員の適用されます。
夫の扶養から外れなければいけません。
注意が必要なのは、月額賃金8.8万円(年収106万円)の時は除外された賞与や手当、残業代が、年収130万円の壁では全て含まれるということです!
またパートを掛け持ちしていたり、副収入のある方は、うっかり年収130万円を超えてしまう可能性があるので注意が必要です。
パート主婦が月額賃金10万円以上稼ぐようになったら注意が必要です!
年収130万円になると、手取り収入はどうなるのでしょうか?
以下のシミュレーションをご覧ください↓
年収130万円付近の手取り額シミュレーション
年収130万円40歳パート主婦が勤務先の社会保険に加入した場合
所得税3,400円
住民税16,800円
厚生年金120,780円
健康保険76,824円
雇用保険3,900円
手取り収入1,078,296円
年収130万円40歳パート主婦が国民健康保険・国民年金に加入した場合(勤務先に社会保険制度がない場合)
所得税0円
住民税16,800円
国民年金199,320円
国民健康保険88300円(※東京都世田谷区在住、40歳で計算)
雇用保険3,900円
手取り収入991,680円
※勤務先に社会保険制度がない場合は、自分で国民健康保険と国民年金に加入しなければいけなくなり、全額自己負担なので手取り収入は一気に下がります。
年収129万円40歳パート主婦(夫の社会保険の扶養)の場合
所得税12,800円
住民税35,600円
健康保険0円
雇用保険3,870円
国民年金0円
手取り収入1,237,730円
たった1万円の差が、手取り収入にすると約16万円(年間)の大きな違いになります(勤務先の社会保険に加入した場合)。
自分で国民健康保険と国民保険に加入した場合だと約25万円(年間)も手取り収入が変わります。
手取り収入が一番多いのは、扶養ギリギリラインの年収129万円で働くパート主婦です。
※あくまでシミュレーションなので、実際にかかる税金や社会保険料は異なります
社会保険に加入することでメリットはありますが、手取り収入が大きく減るというデメリットもあります。
勤務先に社会保険制度がない場合は、年収130万円未満に調整し、扶養の範囲内で働くのがいいのかもしれません。
国民健康保険と国民年金を全額払うのは大変です…。
国民健康保険がいくらになるのかは、年齢・住んでいる地域によって違います。以下のサイトで計算できます↓
年収130万円付近のパート主婦が社会保険で損をしない働き方
年収130万円になると規模が小さな勤務先であっても、夫の扶養から外れ、社会保険に加入しなければいけません。
大きな会社と違って、福利厚生が整っていない場合もあり、自分で「国民健康保険」と「国民年金」に加入しなければいけないケースもでてくるので注意が必要です。
従業員数501人未満の勤務先に勤めるパート主婦が「月に10万円以上の収入を得たい場合」は、社会保険に加入できる勤め先を選ぶことをおすすめします。
パート先の社会保険に加入できれば、社会保険料の半分をパート先が負担するのが一般的で、メリットが大きいです。
社会保険制度が整っていないパート先に勤めていて年収130万円に達すると、社会保険料を自分で全額負担しなければいけないので、手取り収入が大きく減少してしまいます。
パート先の社会保険に加入した主婦が「扶養ギリギリラインの年収129万円のパート主婦の手取り(約123万円)」を上回りたい場合…年収152万円(月額賃金12,6000円)にする
→社会保険料を支払っても手取り額が1,240,294円になり、年収129万円(夫の社会保険の扶養)パート主婦の手取り額を上回ることができる
扶養ギリギリラインの年収129万円のパート主婦の手取り額(約123万円)と同じ水準を維持するには、年収152万円以上を得る必要があります。
年収152万円(パート先の社会保険に加入)40歳パート主婦の手取り額シミュレーション
所得税12,900円
住民税35,900円
厚生年金138,348円
健康保険87,998円
雇用保険4,560円
手取り収入1,240,294円
※あくまでシミュレーションなので、実際にかかる税金や社会保険料は異なります
シミュレーションによると、年収152万円以上になってやっと、扶養ギリギリラインで働いていたパート主婦の手取り収入1,237,730円を超えることができました。
ちなみに、年収152万円のパート主婦は、年収129万円のパート主婦よりも月額当たり約19,200円多く稼ぐ必要があります。
時給1000円のパートだとしたら、月に19.2時間余分に働いて、やっと年収129万円のパート主婦と同等の手取りになります。
これを「働き損」だと思うのか、「社会保険の加入で将来の年金が増えるから得なのだ」と思うのかは、人それぞれだと思います。
ところで…パート主婦の年収が増えてくると「年収150万円の壁」というものにぶつかります。
パート主婦の年収150万円を超えると夫の所得控除額が減っていくことも覚えておきましょう。
「税金・保険料シミュレーション」ができる超便利なサイト紹介
この記事で紹介した手取り収入のシミュレーションは以下のサイトで行いました↓
家庭環境、地域、年齢などの条件がそれぞれのパート主婦によって違うため、実際にかかる税金・保険料はここで紹介した金額とは異なる場合がありますので、ご理解お願いします。
年収150万円の壁、201万円の壁というものも存在する
パート主婦が本格的に働くと、所得控除額の変化により夫の収入が変わります。
以下のサイトがとても参考になりましたので詳しく知りたい方はご覧くださいませ↓
まとめ
パート主婦は、「月にいくら稼ぐのか」をイメージして働くことが大切だと思います。
月額10万円以上稼ぎたい場合は、「社会保険完備」の勤務先を選ぶと、社会保険料をパート先が半分負担してくれるのが一般的でお得です。
夫の社会保険の扶養ギリギリラインで働きたいパート主婦は、パート先の規模や働き方によって「年収の壁」が変わるので注意が必要です。
社会保険料を支払うと手取り額は減りますが、将来の年金額が増えるというメリットがあるので、「働き損」になるかどうかの判断は人によって違います。
実際にかかる税金や社会保険料は、人によって違います。
地域・年齢・家族構成・夫の収入や勤務先などによって、大きく変わることがあります。
この記事の情報は2021年のものです。
法律改正により2022年10月から「社会保険適用拡大」が開始され、段階的に一部のパート・アルバイトの方の社会保険の加入が義務化されます。
「社会保険適用拡大」について詳しく知りたい方は厚生労働省の特設サイトをご覧くださいませ↓
最後まで読んで下さりありがとうございました!
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